むす美・和の美
二つの月見
秋の気配と共に、空気が澄み始め一年で一番月が美しく見える季節を迎えました。
今年の十五夜(旧暦8月の十五夜)は、9月18日。この日の月を「仲秋の名月」と呼びます。旧暦では8,9,10月を“秋”とし、それぞれを初秋、仲秋、晩秋としたのに由来します。この日の名月を鑑賞する風俗は、中国では唐の時代から知られ、日本では平安時代に貴族の間で、そして徐々に武士や町民へと広がりを見せました。江戸時代には、早朝より家族で団子を作ると縁起が良いとされ、薄と共に月に供えました。また、忘れてならないのが「後の月」とも呼ばれる旧暦9月の十三夜の月。十五夜を見て、十三夜の月を見ないのを「片月見」と言って忌み嫌い、両方見て初めて月見が完結するといわれています。“雪月花”に象徴される日本人の美意識には、月の微妙な満ち欠けを見る目にさえ独特の感性を垣間見ることが出来ます。
漆器に見る蒔絵をテーマにしたJAPANクロス「秋野」も、そんな月をモチーフにした一品です。今年の十五夜・十三夜がどうぞ晴れますように・・・。
平成17年 長月