ふろしき物語 −FUROSHIKI MONOGATARI < Vol. 6 > −
「美しい仕草」
「風呂敷ノコトガ、勉強シタインデス。教エテ下サイ!」
電話の向こうから聞こえるていねいな口調は、外国の方のイントネーション。風呂敷講習会への参加希望でした。
講習会の日、終わるや否や、彼女は興奮気味に、「1年間母国フランスに帰るので、その際、風呂敷を是非紹介したい。フランスで風呂敷の講習会をしてもいいでしょうか。」と目を輝かせながら話されました。思いがけない嬉しい投げかけにもちろん了解し「ところで、どうして風呂敷に興味を持たれたのですか?」と、うかがったところ・・こんな素敵な“ふろしき物語”が飛び出したのです。
「何年も前に飛行機でこんな出来事がありました。隣の座席に日本の女性が乗ってきたのです。彼女は脱いだコートを丁寧にたたんだかと思うと、バッグの中から綺麗な布を取り出しました。その布が“風呂敷”でした。その風呂敷をさっと広げたかと思うと、たたんだコートを手際よく包んで棚の中に静かに置いたのでした。・・・その一連の仕草の美しかったこと・・・! 気がつくと、私はその姿に見とれていました。そして同時にダウンコートをクシャクシャに丸めて、棚に放り投げていた自分が急に恥ずかしくなりました。(笑)その日から、日本への思い、風呂敷への興味が深まりとても好きになったのです。」と、話してくださいました。
素敵なふろしきとの出会いのエピソード・・・感動しました。
外国の方が“風呂敷”に興味を持ち、日本女性のエレガントさに感動してくださったことに・・・誇らしい気持ちと喜びを感じました。と同時に・・・同じ日本人でありながら、自分にはそんな丁寧さや心遣いが、全然足りないな・・・・と反省しました。
ほんの少し時代をさかのぼると・・・・、日本女性(大和なでしこ)の先輩たちは、当然のたしなみとして“ふろしき扱い”一つとっても身に付いていたのでしょう。本当に素敵です。昭和のはじめの邦画に出てくる・・・・そんな風景が思い浮かびます。時代は移り変わっても、「美しさの本質」は変らないと教えていただいたような気がしました。外国の方が見つけてくださった「美しい日本」・・・大切にしたいものですね。そして、大和なでしこの先輩たちをお手本にすべく「ふろしき」ぐらい、サラッと扱えるようになりたい!と思ったのです。(・・・・私もがんばります!)