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風呂敷(ふろしき)専門店
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むす美・不易流行通信

ふろしき物語 −FUROSHIKI MONOGATARI < Vol. 8> −

思いやりのメッセージ

 

「紫色で小さめの風呂敷が欲しいんですが・・・」

ベージュ色のジャケットに白いワイシャツ姿の30ぐらいの男性。
ショップの丸いカウンターに広げられた何枚かの小風呂敷の中からさっと一点選ばれ、「すぐ使うのでここで包んでもらえますか?」と鞄の中から取り出しものは、金封。

プレゼントを持ち込まれ風呂敷でラッピングを希望されることはありましたが、金封は、ちょっと驚きでした。でも、そのあと妙に嬉しくなってしまったのです。近頃は、便利なカード入れのような形のものを選ばれる方が増えているからです。

初めて使うそうなので慶弔により「右包み」[左包み」があること、色使いに気をつける等をご案内。男性は手順を確認するようにご自分の手で丁寧に金封を包みあげました。不慣れではあってもその姿は、清々しいものでした。そして、ゆっくりと鞄の中にそれを納めてショップを後にされました

欧米では、チップなどお金をそのまま渡しますが、日本には「熨斗袋」や「ぽち袋」という文化があります。それは贈り手への深い思いやりのメッセージともいえるものかもしれませんね。

近年、普段の生活のなかでは「エコだから・・」と省略して封筒にも入れないことも。でも、自分本位の解釈や都合で略することはどうなんでしょうね。忙しい毎日の生活のなかで、日本人が育んできた大切なものを無くしてしまったような気持ちになるのは、私だけでしょうか。

かつては、和紙と水引などを用意して家々で折り包んでいたという熨斗袋もパッケージの説明を読んで選ぶような時代。それでも、丁寧に包み、贈り手へ届ける心遣いをいつまでも忘れないようにと声をかけられたようなひとときでした。

Staff/k

京都 和文化研究所
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